令和3年度 特定行政書士考査の解答(自作)とアドバイス

行政書士の研修
この記事は約10分で読めます。
こんにちは

2021年10月17日の日曜日、令和3年度の特定行政書士考査を受けてきました。

復習がてら解答を作ってみました。

自作解答なので間違いあると思います(笑)。正答が不明なとこもあります。

間違っていると思われる点。正答が不明な点。「ここはこっちが正解かも」とか。

教えていただけると幸いです。勉強になります。こちらから→お問い合わせ

2時間で30問でした。

問題形式は、すべて四肢択一です。ただし、二か所の穴埋めを四肢択一するのが1問。正しいもの、もしくは間違ってるもの二つの組み合わせの四肢択一が2問。四肢択一だけど個数問題が1問です。ごちゃごちゃ言ってますが、結局すべて選択肢は4つです。

行手法8問、行審法8問、行訴法4問。(行政法総論を直接問う問題なし)
要件事実・事実認定論8問(内訳は、民訴法3問、要件事実5問)
特定行政書士の倫理2問です。

↓令和3年度特定行政書士考査解答(自作)

問1問11問213 
問2問12問22不明
問3問13問23
問4問14問24
問5問15問25
問6問16問26
問7問17問27不明(個数問題)
問8問18問28
問9問19問29
問10問20問30

↓問1~問8 行政手続法8問の簡易解説

問1これは7条の穴埋め。「遅滞なく」「速やかに」。
問2肢1は〇。法令自体に定められている基準は許認可等の要件であり、行手法の審査基準ではない。法令自体に定められている許認可等の要件が抽象的で曖昧なので、行手法は審査基準の作成を義務化した(テキスト「行政書士のための行政法」P60)。 肢2は〇(テキスト「行政書士のための行政法」P61)。肢3は〇。行手法5条3項の「公にしておく」とは、申請者や一般国民からの求めがあれば自由に閲覧できる状態にあることを意味する。肢4は×(プレテストの3番の肢1に似てます。法定受託事務につき都道府県知事が処分をするということは、法律に基づく処分なので行手法が適用になり、審査基準の作成を義務付けられているのは権限を有する行政庁であるので、知事が審査基準を作るということになるのかな)。
問3肢1は〇(講義で補正期間中は停止だといわれてました)。肢2は〇。肢3は×(そんなものはない)。肢4は〇(行手法6条かっこ書き)。
問4肢1は×(行手法8条2項)。肢2は×。肢3は〇(行手法8条1項但書)。肢4は×。
問5肢1は〇(行手法14条1項2項)。肢2は×(行手法12条1項)。肢3は×(行手法26条)。肢4は×(行手法18条)。正当な理由があるときも閲覧拒めます。
問6肢1は〇(行手法33条)。肢2は〇(行手法35条2項1号2号)。肢3は×(行手法35条3項と4項2号)。肢4は〇(行手法34条)。
問7肢1は×(行手法2条6号)特定の者のみ。肢2は×(行手法36条の2第1項)。肢3は〇(行手法36条)。肢4は×(行手法36条の3第3項)通知義務なんてなし。
問8肢1は〇(38条2項)。肢2は〇(39条2項)。肢3は〇(行手法40条2項)意見公募手続きの省略。肢4は×(行手法43条1項3号)。

↓問9~問16 行政不服審査法8問の簡易解説

問9肢1は×。不当な行政処分への不服申立てできます(行審法1条)。肢2は×。審査請求か再調査請求かは自由選択(行審法5条1項)。肢3は×。肢4は〇です。
問10テキスト「行政書士のための行政法」のP86にあります。地方公共団体の長には上級庁がないので、その処分について、長自身に審査請求することになるが、その処分が法定受託事務に該当するときには、市町村長の処分は知事に、知事の処分については所轄の大臣に審査請求することになる。よって、肢4が×。
問11肢1は再調査請求に審理員審査実施されないので×。肢2は「審査請求と手続きが重複することもあり」ってとこが×かなと。再審査請求は法律に定められた行政庁がするので審査請求と手続きは重複しないということではないかなと。自信ありません。肢3は〇。肢4は、申請拒否処分なされたら申立てにより審査請求に移行するので×(「行政書士のための行政法」P90)。正答は3でしょうか。
問12 テキスト「行政書士のための行政法」P94から肢1(行審法83条)と肢2は〇(行審法22条)。肢3は行審法82条1項から〇。肢4はテキスト「行政書士のための行政法」P94から×です。
問13肢1は行審法19条1項から×。肢2は×。審査請求の代理人には誰でもなれます。行政書士の資格がなくてもなれます。報酬目的でやるには特定行政書士資格が必要です(行政書士法1条の3)。肢3は行審法45条で審査請求が不適法な時は却下ですので×。43条1項6号から行政不服審査会への諮問も不要です。肢4は行審法14条から〇。
問14肢1は行審法9条ですね。外部の弁護士等を非常勤職員に任用して審理員に指名することもあります(「行政書士のための行政法」P97)。肢1は〇です。肢2は行審法29条から×。弁明書ではなく審査請求書の送付がいらない。肢3は行審法31条5項から×。処分庁に直接質問できます。肢4は行審法41条2項から×。標準審理期間の経過は、審理の強制終了原因じゃありません。
問15肢2は行審法75条から×。肢3は行審法76条から〇。
問16肢1は行審法40条から×。肢2は行審法25条2項から〇。肢3は行審法25条4項から×。肢4は行審法61条から25条が準用されていますから×。

↓問17~20 行政事件訴訟法4問の簡易解説

問17肢1は×。事実行為でも処分性認められた判例あります。医療法に基づく病院開設中止の勧告。肢2は〇。取消訴訟は形成の訴えです。肢3は〇。原処分主義。裁決取り消しの訴えでは原処分の違法を主張できません。肢4は〇(46条2項)。
問18肢1は×。違法判断の基準時は判決時ですよね。肢2も×。審査請求行ったときもできます。肢3は〇。37条の2第三項そのままです。肢4は×。裁量権の逸脱濫用の時も義務付け判決できます。
問19肢1は×。改正行訴法で、抗告訴訟と当事者訴訟の被告が同じになったので、抗告訴訟と当事者訴訟間での訴えの変更が認められるようになりました。
問20肢1は×(25条二項但書)。肢2は×(27条一項)。肢3は×(東大和市の保育園の判例あり)。肢4は〇。

↓問21~28 要件事実8問の簡易解説

問21肢アは処分権主義から〇。裁判所は当事者の申し立てていない事項について判断できません(処分権主義)ので肢イは×。「背信行為と認めるに足りない特段の事情」の主張立証責任は賃借人にあります(最判昭41・1・27民集20・1・136)ので肢ウは×。肢エは〇。以下理由です。「自己(X)が本件土地を所有していること」というのは、「現在(口頭弁論終結時)において、Xがその土地を所有していることです。しかし「現在のX所有」を立証することは困難ですから、過去のある時点におけるXの所有権取得原因を主張・立証することになります。いったん取得した所有権は、喪失事由が発生しない限り、現在もその者に帰属していると扱われるからです。」(司法研修所編「新問題研究要件事実」59頁)。
問22アは〇だと思います。エも〇だと思います。イなのですが、請求の認諾とは、請求に理由のあることを認める被告の裁判所に対する意思表示です。請求認容と同様の結果と言えばそんな気もします。ウの請求の放棄とは、請求に理由のないことを自認する原告の裁判所に対する意思表示です。効果は既判力に制限がある点で、請求棄却とは同様の効果とは言えないということでしょうか。だとするとウは×です。たぶん2が正解かと思いますが、ちょっと自信ありません。
問23肢1は、弁論主義第1テーゼから×。肢2は、自白の効果で証明不要になるので、裁判所は証拠なしに判決の基礎にできるので×。補強証拠って刑事事件の話ですよね。肢3ですが、自由心証主義のもとでは裁判官が自由に証拠力を評価しますので、当事者がいったん提出した証拠は自己に有利にも不利にも働きうることになります(証拠共通の原則)。なので肢3は〇。肢4は、消滅時効の援用の抗弁ですので、被告が主張立証しなくてはならないので×。公知の事実とは、一般人が疑わない程度に知れ渡っている事実で、歴史的事件は大災害のことですよね。時効期間が経過してるかどうか一般人知りませんよね。
問24 法定研修テキストからの出題ですね。 肢1、2、3は、法定研修テキストにまったく同じ表現がありますので〇。肢4は、原則、原告適格の存否は裁判所の法律判断事項なのですが、不利益処分の名宛人以外の第三者が原告として訴えを提起するときは、原告が原告適格を主張・立証しなくてはなりませんので×です。要件事実の基礎P151にあります。
問25 法定研修テキストからの出題ですね。 売買契約の要件事実は、財物の移転の約束」と「代金支払いの約束」です。なので肢1は×。肢2は理由付き否認ですので×。肢3は弁済の抗弁ですので×。肢4は錯誤取消の抗弁ですので〇。
問26裁判所は当事者のどっちかが主張した事実であろうと判決の基礎にできます(主張共通の原則)。なので肢2が×かと。
問27個数問題。抗弁を選べという問題です。イは否認。ウは半額だけど弁済の抗弁、それと免除の抗弁。貸金請求の要件事実は「返還約束」と「金銭の交付」です。アとエは自分への「金銭の交付」 がないということで否認になるのでしょうか。だとすると抗弁はウだけとなり答えは1になりますが、自信ありません。
問28抗弁に該当するものを選べとの問題です。肢2と3は否認ですよね。肢4は原告の請求原因を認めた上で代物弁済の抗弁を行っているので〇かと。

↓問29~30 特定行政書士の倫理2問の簡易解説

問29法定研修テキストからの出題ですね。アとイとエは〇ですよね。行政書士が業として登記申請業務の代理はできませんのでウが×。相続業務で法的紛議が予想されたら行政書士は業務制限されるのでオも×かと。
問30肢1は法定研修テキストに似た事例ありました。×だと思います。肢2は×かな?。肢3は本人の意向の確認とっているので〇かと。肢4は訴訟の説明必要なので×かと。
↓アドバイス

・過去問の入手方法ですが、まず、近所の特定行政書士を探す。日行連の会員検索で探せます。そして電話して過去問の現物を借ります。使い終わったらお礼のお菓子といっしょに返却する。「要点解説と模擬問題」という攻略本だけやるより合格確率あがると思います。本物をよく分析して自分で解答を作ってみると良いと思います。人脈も広がります。めんどくさいけど過去問は大きいです。一年分でもお借りして分析すべきです。

・行政3法の条文は例外までしっかり覚えておく。狙われてますね。条文中の原則が書かれた後の、ただし~みたいに例外をキチンと理解して覚えてるか見てますよね。条文の但書から問題の肢を作成してるみたいです。

・テキスト「行政書士のための行政法」の総論部分から問題の肢が複数作られています。特に行政不服審査法のとこではたくさん「行政書士のための行政法」から作問(作肢)されてました。総論部分は全部で143ページくらいなので精読すべき。行政3法の理解深まりますしね。

・「テキスト行政書士のための行政法(第二版)」に誤植でしょうか。P62なんですけど。標準処理期間の設定と公表が行政庁に義務付けられている(6条)とありますね。設定は努力義務。公表は法的義務ですよね。努力義務も義務なので問題ないということでしょうか。しかし義務は義務でも同じ義務ではないので分けて書きますよね。うーむ。私の勘違いだったらごめんなさい。

・判例知識を直接聞いてくる問題はほぼない。判例に重点を置いた対策は方向性違う。みなさんが合格してる行政書士試験に出てくる基本判例は知ってないとだめだけど。この考査では、比率は条文の勉強9に対し、判例は1くらいだと思います。

・行政法総論を直接聞いてくる問題はない。

・民事訴訟の重要基本キーワードを覚えておく。今回、処分権主義、主張共通の原則、証拠共通の原則、否認、抗弁、弁論主義テーゼ3つ、理解して覚えてるか問われてますね。まあ重要なものだけですけどね。

・抗弁の具体例を覚えておく。今回たくさん聞かれてますよね。錯誤の抗弁、代物弁済の抗弁、消滅時効の援用の抗弁でましたね。

・行政3法の条文の「遅滞なく」という文言がどこにでてくるか覚えておく。市販されている「要点解説と模擬問題」って攻略本にも「遅滞なく」を問う問題ありました。伝統なんでしょうか。わかりませんが危険ですね。行手法に2か所、行審法に4か所、行訴法に1か所だったかと思います。

・法定研修テキストの要件事実の講義の4コマ目から出題されてました。4コマ目のテキストの文言そのまま。よく読んで覚えておかないとですね。

・倫理については、法定研修テキストにでてくる事例を覚えておけば大丈夫そうです。応用でても判断できるかなと思いました。

・攻略本の「特定行政書士法定研修考査 合格対策 要点解説と模擬問題(岡田忠興著)」はやっておくべきです。傾向と対策、要件事実についてのポイント解説、模擬試験(30問)が役に立ちます。ただし、最新の過去問もやっておくべきです。

・条文は行政書士試験の一問一答で記憶を呼び起こしておかないとですね。あと、行政書士試験に出てこないような条文も理解しとかないといけないですね。上述しましたが、条文の但書で作問(作肢)してますよね。

・プレテストは研修所のサイトから1200円くらいで購入できます。他の講義は購入しませんでしたが、プレテストから似たような問題でるという情報が多かったのでプレテストだけ購入しました。

・合格最低ラインは6割程度、30点の6割の18点ではなくて、20点は必要なようですね。

以上です。
タイトルとURLをコピーしました