第17期 成年後見基礎研修 第2日目の感想

行政書士の研修
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お疲れ様です。

10分休憩をはさんだ4時間の研修でした。

参加者が72名でした。

令和4年6月18日(土)1時30分~5時48分まで。

関東学院大学教授の志村武氏が講師でした。

今回は、前半2時間が、JR東海事件の判例の講義でした。

認知症高齢者(91歳、要介護度4)が徘徊して駅の線路に入り事故を起こしたので、そのもろもろの片づけ費用を鉄道会社側が、認知症高齢者の家族に、損害賠償請求した事件です。

最高裁で、家族の責任は否定されました。

今後の課題:「被害者救済がなされていない。障害者から被害を受けたら泣き寝入り。」という問題点がこの判決にはあるとのことでした。

先生からは、人身損害は賠償する。財産損害は賠償しない。という解決法が提案されていた。

成年後見人は、成年被後見人の生活、療養監護及び財産の管理に関する事務を行うに当たっては、成年被後見人の意思を尊重し、かつ、その心身の状態及び生活の状況に配慮しなければならない。

民法 第858条(成年被後見人の意思の尊重及び身上の配慮)
後半2時間は、アメリカの成年後見制度の代替案としての自己決定支援法理についての講義でした。

今、アメリカの成年後見制度の90%は、本人からすべての権限を奪って後見人がすべて決めてしまう「過度に広汎で不当な後見制度」であると批判されています。

アメリカではザルツマン教授が「成年後見制度は精神的隔離である」と主張されている。

ジェニーハッチ事件、ダメリス・L事件を通して、後見制度の代替策として「自己決定支援」が、判例法で認められつつあります。

障害者の方のお金の無駄遣いを認めるべきだということ。

もちろん、お金をだましとられてるのはダメです。

じゃあ、若い女性にだまされてるお金持ちの老人はどうするのか。

老人はだまされていても満足している。

成年後見人は、どうすべきか。

放置していたら、善管注意義務違反として成年後見人は責任を問われるのか。

講師は問われないと考えている(志村説)。

以上です。
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